【プレゼン悩み相談】“緊張”の対処方法とは?人気プレゼン講師が伝授

プレゼンテーションといえば“緊張“がつきものと言っても過言ではありません。

「緊張しないように」と入念に準備をしたのにも関わらず、プレゼン本番で人前に立った途端、頭の中が真っ白! 脚はガクガク、手指はピクピク、喉はカラカラ、声が震え、身体が硬直し、嫌な汗がジワッと出てきて、意識が遠のき、・・・。こんな経験はありませんか?
プレゼン力をつけたい人たちから私たちの協会に寄せられる悩みのNO.1がこの“緊張”です。
そこで、「プレゼン悩み相談」の第1回目では、“緊張”の対処法をプレゼン講師歴30年のスペシャリストが伝授します。プレゼンでの“緊張”の呪縛から解き放たれ、自然体で話す方法を身につけましょう。

緊張して頭が真っ白になる

緊張であがってしまい、自分がどこまで話しているか分からないなど、頭が真っ白にならなってしまいます。事前準備、練習をみっちりやっても効果がありません。緊張の対処方法をお教えいただきたいです。

対処法その1

いくら練習をしても緊張するものは緊張します。緊張してもいいんです。頭が真っ白になってもいいんです。緊張しない、頭が真っ白にならない、ではなく、緊張したらどうするか、頭が真っ白になったらどうするか、の事前準備をしておくことです。

対処法その2

緊張していると自覚したら、頭が真っ白になったと自覚したら、自分に【PAUSE】一旦停止ボタンを押すことです。そのまま続けても聴き手に伝わりません。じたばたせずゆっくりと水を飲んだり、手を拭いたり、深呼吸を3回するのも効果的です。

対処法その3

何を伝えるか「三部構成」と、伝える内容「ロジックツリー」と、伝える順番「アウトライン」の準備をおこないます。プレゼンの本番では、これらを紙に出力してすぐに確認できるように身近にしのばせておきましょう。緊張してる、頭が真っ白になった、と自覚をしたら、「三部構成」「ロジックツリー」「アウトライン」を黙って確認して深呼吸を3回します。リカバーできた後は何事もなかったように【PLAY】再生ボタンを押して淡々と続ければ良いのです。


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『えー』『あー』が口癖でたくさん言ってしまう

『まぁ…』『えぇっと』『あー』といった口癖はなくした方がいいとのことですが、どうしたらいいですか?

口癖というのは言うほうはあまり気づかないものですが、プレゼンの聴き手になると気になるものです。もちろん、あえて言う状況もありますし、一、二度なら気になりませんが、何度も繰り返してしまうのは明らかに口癖です。聴き手にとって『まぁ』は話し手の上から目線に聞こえ、『えぇっと』『あー』は整理されていない印象かつ耳障りです。

それでも言ってしまうのはなぜでしょうか? それは、話すことが整理されていないのに話し続けようとするから、沈黙が怖いから、流れる話し方がよいと勘違いしているからです。理由すべてが話し手自身の”間つなぎ”でしかありません。聴き手に支障のある口癖は直しましょう。『まぁ…』『えぇっと』『あー』と言ってしまいそうになったら、ぐっと飲み込み”無音”にすることです。人は”間”に惹きつけられます。ただし、無音が度々続くと車のノッキング後のエンストのように聴き手に不安を与えてしまいます。まずは口癖の弊害を認識すること、次に伝える内容を整理すること、そして聴き手に”伝わる”ことを意識して伝えましょう。

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いつも早口になってしまう

緊張しているせいもあると思いますが、早口になりやすいです。話すスピードに気をつけるにはどうしたらいいですか?

緊張しているせい、と自覚があれば早口は簡単に改善できます。

逆に質問をします。
「なぜ早口になりますか?」
「早口で得することはなんですか?」

早口になる理由と早口で得することは、「早くプレゼンが終わる」ではないでしょうか。自分が用意してきた原稿やスライドを一方向で伝える、つまり、聴き手を置いてきぼりにしたら、どんな人でもマシンガントークになってしまいます。ならば、改善方法は簡単です。聴き手を見て双方向に伝えればよいのです。

また、早口のままプレゼンを進めるから余計に緊張するのです。早口だから頭と口がかみ合わずに頭が真っ白になるのです。ならば、ゆっくり話せば緊張していても頭が真っ白になりにくいとも言えます。

ゆっくり話すには、つまり話す速度をコントロールするには、“間”を取り入れます。特に強調したい表現の前など、少しばかりの沈黙を入れると聴き手をグッと惹きつけることができます。話し手にとっても、余裕をもって次の話ができます。余裕ができると落ち着いてきますので、ゆっくり言葉を噛みしめるように聴き手へ語りかけましょう。そうすれば、説得力も増します。

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まとめ

今回、紹介した質問はどこのプレゼン研修でも必ず寄せられるもので、どの年代にも共通した悩みです。緊張しないようにするよりは、緊張してもこれさえ守っていれば大丈夫!と安心して本番に臨めるよう、しっかりと事前準備をしてください。

対処法やアドバイスを伝授してくれたのは、当協会の代表で人気プレゼン講師の脇谷聖美です。皆さんの困り事やお悩みを相談してみませんか?

監修

脇谷 聖美(わきたに きよみ)

プレゼンテーション講師/人財育成コンサルタント
一般社団法人プレゼンテーション検定協会 代表理事
アクセス・ビジネス・コンサルティング株式会社 代表取締役
非常勤講師(弘前大学大学院、鹿屋体育大学)

 “「伝える力」向上”へ、社会人・学生・児童・シニアと幅広い世代に指導しています。伝えること・コミュニケーションなどの悩みや課題解決の相談にも寄り添う親身な支援・指導をモットーとしています。受講者から「楽しかった!」「ためになった」「もっと話が聴きたい」と声があがる講義はリピートしたくなると評判です。プレ検の試験官としても活躍中。受検対策や補講を担当し、合格へと導いています。