すぐに自分の意見を言えない人必見!意見は「ピラミッド」で組み立てよう

例えば、定例の販促会議で上司に売り上げ報告をする場面。

「今期は、前年対比でマイナス3パーセントになりました」
「それで?」
「えっ、それでって、いえ、それだけですが・・・」
「それだけです、じゃないだろう。どう考えているんだ、キミは?」
「えっ、あのう、いえ、どう考えているかって・・・、そのう・・・」

あなたは、しどろもどろになって、フリーズしてしまいました。
「意見がないなら、今後キミはこの会議に出なくてもいいよ」

なぜあなたは意見が言えなかったのでしょうか?

求められているのは「事実」ではなく「意見」

事実を報告するだけでは、単なる伝言にすぎません。
ビジネスでは、「事実」と「意見」を報告しなければならないのです。
ところが、あなたには意見がありません。
意見がない、ということは、あなたの存在感がないことを意味しているのです。

意見が言えないことが続くと、相手はあなたの意見を期待しなくなってしまいます。
そして、あなたがその場にいても意見を求められないようになります。

意見を求められないことは「存在感がない」ということなのです。

意見を求められたら「ピラミッド」で考える

会議で「この問題について、どのように考えますか?」と意見を求められたとき、まさか、「すみません、頭の中が空っぽです」とは言えるはずもありません。

言えないから、「あのう・・・、それはですね・・・、ええっと・・・」とむにゃむにゃ言いながら、何とかごまかそうとします。
それでも、あなたは意見を述べなければなりません。

意見がなければ、相手は「あなたでなくてもいい」と思い、他の人に同じ質問をするでしょう。

さて、どうするべきでしょうか。

まずは意見をわかりやすく図式化してみて「ピラミッド」を組み立ててみましょう。

ピラミッドとは、下から順にこうなります。

1.「情報」を正しく理解する
2.その情報に「解釈」を加える
3.その解釈の結果を「意見」として組み立てる

まずは「情報」を正しく理解する

意見を求められたら、慌てず騒がず、まず、意見のピラミッドを思い出しましょう。
そして、一番下の情報を理解する作業を始めます。

「ご指摘の問題は・・・、つまり、・・・ということですね。」と、要約し確認します。

この「要約し確認する」というのが重要なポイントです。

理解が中途半端な状態で、何とか意見を言おうとするから、意見が言えないのです。
何か見繕って言ったとしても、トンチンカンな発言になってしまいます。

間違った情報を基に意見を述べて、悲惨な目に遭うケースは山ほどあるのです。
後で、言わなければ良かった、と後悔するようになります。

もし、不明な点があれば、質問をすればいいのです。遠慮はいりません。

「現在、御社ではどのようなシステムを稼働させていますか?」と。

知らないことを恥だと思って、質問しなければ、意見を言った後に、もっと恥をかくことになります。

多くの人は律儀な性格なため、意見を求められたら、何か意見を言わなければ・・・と焦ってしまいます。
ここは、一呼吸をおいて、情報を正しく理解する作業をおこないましょう。

情報を「解釈」すると意見になる


情報を正しく理解したら、次にその情報を解釈します。解釈をしなければ、意見にならないので注意しましょう。

たとえば、上司から「今後、この新商品の売れ行きについて、キミはどう思うかね?」と意見を求められたとします。
あなたが、ここで新商品に関する情報に「解釈」を加えなければ、「どう思うか、と言われても・・・」と、また頭の中が空っぽになってしまいます。

どのように解釈すればいいでしょうか。

それは「他の情報と比較してみる」ことです。

比較する対象は、たとえば、従来の商品、類似の商品、他社の商品など。また、比較の観点は、機能、価格、デザイン、あるいは、消費者ニーズなど。他の情報と比較すると、意見が導き出されます。

「そうですね、この新商品は従来品に比較して、機能面であまり目新しさがないと思います。また、競合品と比べると、価格面でのメリットが少ないと思いますし、デザイン的にも問題があると思います。それに、そもそも消費者のニーズに合致しているか、はなはだ疑問です」

これで、あなたは自らの意見を堂々と述べることができるのです。つまり、あなたの存在感をアピールできることにつながります。

自分の意見を求められたら慌てずに、まずは「ピラミッド」を思い出しましょう。

それだけであなたの意見を言う力は着実にアップします。

【参考書籍】
アタマで話す技術」

著者:八幡紕芦史(一般社団法人プレゼンテーション検定協会会長)
発刊日:2003年10月22日
出版社:PHP研究所