話がわかりやすい人に共通する話の組み立て方とは?

上司 「プロジェクトの進捗はどうなってる?」

部下 「はい、いろいろと費用がかかりまして…、あのう販促費についてはキャンペーンモデルを採用して…、日当が…、それに弁当代が松花堂ですと…、コンビニの弁当でもいいかと…、それに飲み物代はペットボトルのお茶ですと…、・・・・・」

上司 「キミねえ、会社の浮沈を賭けたビッグ・プロジェクトだというのに、ちまちましたことばかり言ってるが、結局、進捗はどうなってる?」

準備せずに話しをすると、つい細かい話から入ってしまいがちです。話しているうちに、何を話しているのか、自分も相手もわからなくなってしまいます。

今回は、どんな時でもわかりやすく話せる人に共通する話の組み立て方のコツをご紹介します。

まず全体像を伝える

冒頭のシーンでは、頭に浮かんできた順に細かいことを話していったら、上司にちまちました話で進捗がわからないと言われてしまいました。

話し手である部下からすると、弁当代も費用には大きな要素なのにと納得がいかないかもしれません。しかし、聴き手である上司にしてみれば、周辺の細かな話よりもっと重要な話があるだろうとイライラしてしまうのです。このような事態を避けるには、どうすればいいでしょうか。

それは、まず話の全体像を伝えて話し始めることです。これをロードマップと言います。

ロードマップとは、どのようなルートで目的地にたどり着くか、全体像を示す地図のこと。

先ほどの部下の話を全体像から伝える組み立てをしてみましょう。

まず、「このプロジェクトは赤字になっています」と、結論を言います。続けて、「最初に販促費について、次に人件費について、最後に管理費について、ご報告します」と、話の構成(ロードマップ)を示します。

このように話し始めにロードマップを示せば、聴き手は話の全体像を把握することができます。話の全体像を示さずに、弁当代など細部から話してしまうと、聴き手は話の迷子になってしまうのです。

話がわかりやすく相手に伝えるには、はじめに全体像を示してから、「販促費については、キャンペーンモデルの日当が…」などと、細部の話に入っていきましょう。

全体と細部を交互に示すのがコツ

一つ目の販促費の詳細について話し、二つ目の人件費の実情を話していきます。このまま三つ目を続けて話してしまうと、細部の話が続いてしまいます。話し手も聴き手も、細部に注意が向き、全体像を忘れてしまいかねません。そこで、二つ目の話が終わったところで、再度、ロードマップを示すのがコツです。

「これまで、最初に販促費について、次に人件費について、ご報告しました。最後に管理費についてご報告します」と。

そうすると、細部に注意が向いていた聴き手も全体像を再確認することができ、頭の中が整理された状態で三つ目の管理費の詳細について聴くことができます。三つ目の話を終えたところで、再度、ロードマップを振り返り全体を要約することもコツです。

「ここまで、販促費、人件費、管理費の三点から詳細の報告をいたしました」と。

もちろん最後に結論を再度述べることを忘れてはいけません。

「つまり、プロジェクトは赤字の状況と言わざるをえません」と。

伝えたいことの全体と細部を交互に示すことによって、わかりやすい話になり、聴き手に誤解されることもなくなります。

3つの構成で話す

伝えたいことを思いつくまま伝えるとわかりにくい話になります。

頭の中に散乱している伝えたいことを「事実」「意見」「感情」の三つの箱に整理分類します。情報を正しく捉えて、多面的かつ論理的に解釈すれば、「意見」を組み立てることができ、話し手の信頼性を示すことができます。

次に、「結論→理由→結論」の三部構成で話を組み立てます。そうすれば、熟知している、頭脳明晰な印象を与えることができます。そして、支離滅裂な話をしなくてすみます。

このように、伝えたいことを“3つ”に整理し、“3つ”の構成で組み立てると、コンパクトでわかりやすい話しができます。

合わせて、「結論」の後に、「一つ目は…、二つ目は…、三つ目は…」と、ロードマップで話の全体像を示します。この構成で伝えると、たとえ話の途中で伝えたいことを忘れても心配はいりません。聴き手に、「三つ目は何か?覚えていますか?」と質問し、聴き手から「三つ目は…でした」と答えてくれます。「そうですね、三つ目は…です」と、すました顔で続ければいいのです。かえって聴き手の集中力が高まることでしょう。

このように3つの構成、つまり「三部構成」で伝えるとグッとわかりやすい話しができます。ぜひ、実践しましょう。

まとめ

話がわかりやすい人に共通する話しの組み立てをご紹介しました。

「言いたいことを、思いついたまま、ダラダラと話す」ことは聴き手に無理を強いてきたと身に染みて感じていることでしょう。“わかりやすい話”は話し手が努力をしているのです。

今回ご紹介した3つのコツを実践していきましょう。

【参考書籍】
アタマで話す技術」

著者:八幡紕芦史
発刊日:2003年10月22日
出版社:PHP研究所