プレゼン上手は伝えたい事を「3つ」にまとめる

クライアントへ課題解決提案のプレゼンテーション。相手は期待に胸を膨らませて、あなたの提案を聴き始めます。

「このソリューションの特徴は……、次に……、また……、さらに……、最後は……」と話し続けるうちに、目を輝かせていた聴き手のまぶたは閉じかかってしまいました。

これでは、せっかく期待に胸を膨らませてくれたプレゼンテーションが台無しです。
なぜ相手に上手く伝えることができなかったのでしょうか?

今回は、相手に確実に伝わる話のまとめ方について紹介していきます。
上手く相手に伝えることができないという悩みを持っている人は必見です。

そのまま話すだけでは伝わらない

プレゼンテーションで、言いたいことをそのまま話はじめていませんか

最初のうちは興味を持って聞いてくれていた相手も、ダラダラと続けるうち「この話はいつまで続くのだろうか…」と疑問に思い始めます。聴き手は、いつ終わるかわからない話に嫌気がさしてくると、最初の興味は怒りに変わり、諦めの心境になり、そのうちに眠気に変わるのです。

あなたが、「それでは、最後に…」と言うまでに聴き手の意識は遠ざかっていきます。これでは、あなたのプレゼンテーションは子守歌です。

眠くなるのは、聴き手の問題ではありません。話し手であるあなたの問題なのです。

伝えることは3つにまとめよう

最初に聴き手への興味をわかせて、その興味を最後まで持続させたいと思うなら伝える話は3つにまとめましょう

たとえば、企画会議で「この企画について、キミはどう思うかね?」と意見を求められたとします。ここで、あなたは、結論から話しはじめます。

「そうですね、その企画だと大きな売り上げは期待できないと思います」

そして、

「期待できない理由が3つあります。1つ目は…、2つ目は…、そして、3つ目は…」といった具合に伝えていきます。

最後に、「というわけで、大きな売り上げは期待できないと思います」と、締めくくります。

あなたのプレゼンテーションは理路整然と伝わり、プレゼンが上手い人という印象を与えることができます

*結論から話す方法についてはこちらの記事をお読みください。
参考記事 プレゼンテーションで相手を合意に導く“論理的”なシナリオづくりとは?

伝えることを3つにまとめる効果

たとえ多くのことを言いたいとしても、ダラダラと話さずに話は3つにまとめることです。

聴き手の注意を喚起することができるし、興味も持続させることができます。聴き手が途中で寝てしまうこともありません。

あなたが、「そのメリットは3つあります」と言った瞬間、聴き手はその3つが何か知りたくなるのです。

知りたくなったところで間髪入れず、「1つ目のメリットは…」と続けます。

そうすると、聴き手は“2つ目”を理解し“2つ目”を期待します。

伝える内容が盛りだくさんだったり、専門的だったり、長時間だったりする場合は、大項目が3つ、各大項目に中項目が3つ、と“3つ”のたがをはめて枝葉を広げていきます。これが、あなたの伝えたい内容のロジック・ツリーになります。

このようにプレゼンテーションをすすめると、あなたは、聴き手の期待を高め、そして、その期待に応えていくことができるのです。

つだからこそ伝わる

なぜ、伝えたいことを3つにまとめるのでしょうか。

1つ目の理由は、人間は忘れやすい生き物だからです。

もし、あなたが理由をいくつもダラダラと続けると、聴き手はその項目を覚えきれません。人間が即座に記憶することができるのはせいぜい3つです。

2つ目の理由は、内容に関連性をもたせることができるからです。

あなたがダラダラとランダムに話したとします。「商品の特徴は…、我が社の人事政策は…、世界経済の動向について…」というように。

これでは、聴き手は混乱状態に陥ります。「過去・現在・未来」とか、「大・中・小」とか、あるいは、「松・竹・梅」といった具合に3つの項目を関連づけて組み立てます。なにごとでも理解しようとするのに関連性を気にするものです。

3つ目の理由は、論理学の基本は三部構成だからです。

三段論法は三つの項目で構成されています。「AはBである、BはCである、故に、AはCである」と。

演繹法的には、「大前提・小前提・結論」。また、弁証法的には、「正・反・合」。論理的に説明するならば三部構成です。もし、あなたが、このように三部構成で話を展開するなら、聴き手は、あなたのロジックに大いなる納得感を抱くでしょう。選択肢が3つあることで説得力が高まります。

アウトライン、つまり話す順番を意識したプレゼンテーションをすると、あなたは聴き手から“ロジカルな人”と評価を受けるようになります。
今日からぜひ実行してみてください。

聴き手が期待に胸を膨らませてくれるプレゼンテーションは、話し手には光栄なことです。ならば、確実に伝わる話のまとめ方で準備をして、その期待に応えていきましょう。

思いつくままダラダラと話すのは聴き手の期待を裏切ってしまいかねません。「3つ!」と述べた瞬間に聴き手が惹きつけられる体験を味わってください。

【参考書籍】
アタマで話す技術」

著者:八幡紕芦史(一般社団法人プレゼンテーション検定協会会長)
発刊日:2003年10月22日
出版社:PHP研究所