プレゼンの情報収集でお悩みの方必見!すぐに使える効率的な情報収集のコツ

プレゼンテーションでの準備に取りかかる際に必要な情報・データを集めるために、まずはネット検索から始める、という方が多いのではないでしょうか。
検索サイトで思いついたワードを検索したところ何百万件もの結果が表示され、上から順にクリックをしていくと、あっという間に時間が経ってしまいます。それでも必要な情報を入手できれば良いですが、そう上手くはいきません。

情報はプレゼンテーションの生命線です。“情報”を武器に説得力のあるロジカルなシナリオを構築できれば、聴き手を理解、合意、行動に導けます。

そこで今回は、効率的かつ効果的なプレゼンテーションの情報収集のコツを紹介していきます。

プレゼンの情報収集は3つの切り口を意識しよう

プレゼンテーションで聴き手を説得するためには、聴き手が理解し合意できる内容をロジカルに組み立てられるかが大切になります。

そのために、いかにロジックを裏付けるデータを示すか、これに尽きます。

プレゼンテーションで聴き手に突っ込まれないように、質問をされないようにと情報収集に取りかかります。

プレゼンテーションにおける情報収集を始める前に3つの切り口を意識することで、効率よく準備に取り組め、効果的なロジックを組み立てられるようになります。

図の出典:戦略的プレゼンテーションの技術

1つ目は、情報項目
2つ目は、情報ソース
3つ目は、情報メディア

この3つの切り口を意識して、情報収集の全体を捉えてから実際の収集作業を始めていきましょう。

情報項目と情報ソースをマトリックス化しよう

情報項目とは、あなたが入手したい情報の項目です。
プレゼンテーションで聴き手の説得に必要な情報は「聴き手が知りたいと思うこと」です。

効率的な情報収集にはExcelでマトリックス(一覧表)をつくることをおすすめします。

1番目の列見出しを「情報項目」と入力して、その下に「知りたいこと」を書き出します。

2番目の列見出しを「理由」と入力して知りたい理由を書き出します。

たとえば、提案する新規事業がB2Cビジネスであれば、ターゲット消費者の年齢、年収、趣味、嗜好、ライフスタイル、購読メディアなどを書き出すといいでしょう。

新規事業のターゲットである消費者に受け入れられるか、その根拠を示すための情報項目を書き出します。

あるいは、競合他社の業種、業態、競合他社名、企業情報、開発力、技術力、販売力などを書き出せるといいでしょう。なぜ、この新規事業が成功する可能性が高いかの根拠を示すための情報項目を書き出します。

3番目の列見出しは「用途分類」と入力して「定義」「大前提」「因果関係」「価値基準」「事例」などロジックを組み立てる分類をします。

4番目の列見出しは「情報ソース」と入力します。情報ソースとは、知りたい情報がどこにあるかです。

情報の探し場所としては、官公庁や業界団体が出している各種統計、シンク・タンクのレポート、調査会社の調査報告書、データ・バンクの企業情報、当該企業のホームページ、業界専門家のサイト、専門雑誌、などがあるでしょう。

もし、信頼性の高い情報が必要なら、客観性の高い発信元が公表している情報を探すことです。主観的な情報は“事実”ではなく“目標”である場合があります。また、収集した情報が古い場合があるので注意しましょう。ひとつの情報項目に対して複数の情報ソースで情報収集をすることが必要です。

情報項目と情報ソースをマトリックス化してから情報収集をすると、ピンポイントで情報を手に入ることができます。「知りたいこと」の全体を捉えているので、ひとつの情報ソースから複数の情報項目が収集できるのです。

情報発信が手軽な昨今、情報収集は大海に手を入れるような作業です。情報収集に準備時間の大半を費やしてしまいかねません。活用できる情報を有している有益な「情報ソース」に日頃からアンテナを張っておくようにしましょう。

プレゼンテーションにおける情報収集は、物知りになるためではありません。聴き手が理解し合意できる説得力のあるロジカルなシナリオを組み立てるためです。効率的に効果的な情報収集にはマトリックス化が役立ちます。

情報メディアを使い分けよう

情報メディアとは、情報ソースにアクセスする方法です。情報メディアは5種類あります。あなたが必要としている情報項目に最も効率的かつ効果的なアクセス方法を選択しましょう。

1.データベース・リサーチ

データベースとは、コンピュータ上で集積・整理された情報群のことです。
データベースは、決まった形式で整理されているので、大量の情報が集まっていて検索がしやすく、知りたい情報がたくさん収集できる特性があります。

しかし、検索条件によっては情報が多すぎたり、少なすぎたり、本当に欲しい情報にたどり着くまで時間がかかることがあります。
たとえば、商品を購入する場合に活用する情報メディアはAmazonや楽天といったデータベースです。

データベースでの情報収集は、収集結果を加工して分析に活かすことで、定量的な説得情報としてロジックの組み立てに役立ちます。

2.ライブラリー・リサーチ

ライブラリーとは、図書館、図書室、資料室などに置かれた白書、統計資料、調査レポート、などの資料を指します。

ライブラリーは、知りたい情報が広い観点で収集できる特性があります。
一方、知りたい理由が不明確な場合は、活用できる情報が収集できなくなります。

たとえば、歴史的な情報を得たい場合、ライブラリーの情報メディアは、歴史を偉人や生活や食べ物や服装や特産物といった幅広い多面的情報を収集することができます。

ライブラリーでの情報収集は、収集結果を因果関係に活かすことで、定性的な説得情報としてロジックの組み立てに役立ちます。

プレゼンテーションの達人を目指すなら、図書館とは仲良くしておくことをお勧めします。

3.アンケート・リサーチ

アンケートとは、調査対象の意見や行動や事象を把握するために、特定の期間内に、質問形式によって回答を求め、データを集める方法です。

アンケートは、調査対象に回答を求めなければ得られない情報が収集できる特性があります。反面、主観的回答なので、事実関係が判断しにくい情報です。

たとえば、サービスに対する顧客の満足度や属性別の動向を知りたい場合、アンケートの情報メディアは現状把握や課題抽出のための情報を収集することができます。

アンケートでの情報収集は、自ら調査し集計・分析することで、定量的かつ定性的な説得情報としてロジックの組み立てに役立ちます。

4.インタビュー・リサーチ

インタビューとは、関係者に直接会い、会話を通して質問をしながら情報を得る方法です。

インタビューは、調査対象への質問の投げ方によって事実・意見・感情の情報を多面的に得られる特性があります。

聞きにくい質問や回答しにくい質問があると情報が得られなかったり、質問者の力量によって情報の質が悪かったり、量が少なかったりと収集できる情報にバラツキがあります。

たとえば、体験談を知りたい場合、インタビューの情報メディアは具体性のある事実や感情部分まで情報収集することができます。
インタビューの情報収集は、他の情報メディアと組み合わせることで、客観的な定性的価値基準として説得力のあるロジックの組み立てに役立ちます。

5.オブザベイション・リサーチ

オブザベイションとは、調査対象の形態や行動を観察して情報を得る方法です。

オブザベイションは、実態が把握でき、想定外の新しい発見をできる特性があります。

しかし、オブザベイションを実施するためには時間や費用がかかり、観察者の解釈に依存するため、反論を生みやすい情報です。

たとえば、商品開発をする際に消費者ニーズを知りたい場合、オブザベイションの情報メディアは消費者の生活行動を観察する中で真のニーズや課題を明らかにする情報を収集することができます。また、開発者の狙いどおりかどうかを検証することも可能です。

オブザベイションの情報収集は、他の情報メディアと組み合わせることで、定性的な説得情報としてロジックの組み立てに役立ちます。

まとめ

プレゼンテーションにおいて情報は生命線です。知っている情報だけでは聴き手を理解させ、合意させ、決定させ、行動させることはできません。

説得力のあるプレゼンテーションでは、提供しようとする情報の100倍もの情報をもっていることが必要になります。

・聴き手が知りたい情報
・理解するために必要な情報
・合意や決定を判断できる情報

これらを伝えてくれるプレゼンテーションが説得力のあるプレゼンテーションです。

とはいえ、収集した情報を全て伝えることは逆効果です。提供される情報が多ければ多いほど、人は理解困難に陥り、合意や決定を躊躇するものです。情報収集の3つの切り口を意識して相手を説得するのに最低限必要な情報を提供できるように準備に取り組みましょう。

監修

八幡 紕芦史(やはた ひろし)

経営戦略コンサルタント
特定非営利活動法人国際プレゼンテーション協会 理事長
一般社団法人プレゼンテーション検定協会 代表理事
アクセス・ビジネス・コンサルティング株式会社 代表

日本におけるプレゼンテーション分野では、先駆者として、その能力向上や啓蒙活動に寄与。これまでに、企業や団体におけるプレゼンテーションの教育や支援、大学におけるプレゼンテーション技術の指導などを手がける。関連書籍や雑誌の執筆も多数、講演活動もおこなう など、プレゼンテーション分野の第一人者。
また、コミュニケーションに関して造詣が深く、一方で、経営コンサルタントとして、様々な企業や団体でビジネス・プロフェッショナルとしての必要なリテラシーを支援、開発、養成、指導の助言、指導、支援もおこなっている。
主な専門分野は、ビジネスに不可欠な戦略的思考と行動、およびコミュニケーション能力。例えばビジネス戦略、営業戦略、戦略的目標管理、商品開発、論理的思考技術、プレゼンテーション技術、ミーティング・マネジメント、チーム・ファシリテイション、多様性のマネジメント、変革のリーダーシップ、グローバル・ビジネス・マネジメントなど。

戦略的プレゼンテーションの技術」

第1章:プレゼンテーションの戦略
第2章:プレゼンテーションのシナリオ
第3章:インタラクティブ・プレゼンテーション
第4章:プレゼンテーションのデリバリー技術
第5章:ビジュアル化技術
ワークシート集、参考資料

八幡紕芦史著 アクセス・ビジネス・コンサルティング株式会社
A5版 232頁 定価2,530円(本体2,300円+税10%)