聴衆を魅了する小泉進次郎氏の演説プレゼン力

こんにちは!
協会事務局の遠藤です。

本日は、協会の代表理事・八幡紕芦史による
特別記事を掲載します。

 

聴衆を魅了する小泉進次郎氏の演説プレゼン力

衆議院選挙が終わった。

この1週間、党首や有名政治家が日本中を駆け巡り自党の候補者の応援演説をおこなった。
この中で秀逸なのが小泉進次郎氏の演説プレゼンだった。
なぜ小泉進次郎が聴衆を魅了するのか、その理由を分析してみた。
みなさんが仕事でプレゼンする場合に大いに参考になるはずだ。

小泉進次郎氏の演説プレゼンには、次の3つの特徴がある。

1.聴衆を演説の主役に持ち上げる
2.状況に即座にアドリブで対応する
3.分かり易く対立構造を語る

1.聴衆を演説の主役に持ち上げる

“みなさん”と呼びかける
演説というと一方的に自分の政策を声を涸らして訴えるイメージがある。
しかし、小泉進次郎の演説プレゼンには、聴衆を主役に持ち上げ双方向で話を進める。
その典型的なものが”みなさん”という呼びかけと聴衆との掛け合いだ。

たとえば、渋谷での演説では、
「渋谷のみなさん、こんにちは…、
〇歳から百歳の大勢の世代のみなさんに…、
後ろのフルーツパーラーの中からも、みなさん…、
後ろのみなさんも、前のみなさんも…、
分煙の中のみなさんも…、タバコをすっているみなさんも…」
このように”みなさん”と呼びかけることによって聴衆の注意を喚起する。

北海道での演説では、
「嬉しいですね、目の前に小さなお子さんもいて…」
「ああやって、メッセージを作ってくださっているみなさん、
去年の選挙でも会いましたね。覚えていますよ」
「○○さん(候補者)の誕生日知っていますか、いつですか、そうですね、よく知っていますね」
「そこのクルマ、気をつけてくださいね」
このように聴衆との掛け合いをすることによって、自分との関係を即座に作り上げる。

また、演説を通して、みなさんを主語にして、
「みなさんは…、みなさんの家族が…、
みなさんの街は…、みなさんの国は…、みなさんができることは…、」
と語りかける。
このように聴衆を演説の主役に持ち上げていく。

2.状況に即座にアドリブで対応する

街頭演説というライブを最大限に活かすのは、
その場で起こった状況に即座に対応するアドリブの力量だ。
起こった状況を一瞬のうちに計算し、自分の演説に取り込み、
そして、最大限に活用する小泉進次郎の真骨頂だ。

たとえば、沖縄県南風原町の演説で起こった出来事。

司会者が小泉進次郎氏を小泉純一郎と間違って紹介した。
「南風原町のみなさん、おはようございます、
先ほどご紹介をいただきました小泉純一郎です(笑)。進次郎です(拍手)」
と当意即妙に対応し笑いと拍手をとった。

そして、続けて、
「みなさん、名前を覚えてもらうのは大変ですね。
だから、○○さん(候補者)、名前を覚えてもらわなきゃならないということを、
さきほど私のことを純一郎と紹介することによって、あえて間違ってくれたんだと…(拍手)」
と司会者をしっかりフォローし、おまけに候補者の名前も強く印象に残した。

3.分かり易く対立構造を語る

今回の選挙は選挙民にとって分かりにくいと言われてきた。
その中で、党首は他の党の批判や悪口だけに終始した。
しかし、小泉進次郎は責任と無責任という対立軸を示し分かりやすく示した。

たとえば、としまえんでの演説では、
「中華料理屋さんの階段から、ありがとうございます。
後ろのがってん寿司のご主人もありがとうございます」。

そして、カールの看板に向かって、
「カールのおじさんも、上からありがとうございます」
などとユーモアたっぷりに聴衆を惹きつけて演説を始めた。

さすがに他党が強い地元であるため、
演説の冒頭で与党と野党の対立軸を「責任-無責任」と分かり易く示した。
また、これまでの野党の分裂再編の経緯も責任と無責任の対立軸で説明し、
他党の代表を「出るも無責任、出ないのも無責任」と切り捨て、
さらに続けて、「私はこの数日の状況をみていると、
新しく言わなければならない状況が出てきたと思います。
それはどっちかの無責任をとりましょうと(笑い拍手)」。

小泉進次郎の演説は、聴衆を自分の演説に引き込み、
アドリブで聴衆の笑いと拍手を取り、
そして、分かり易い対立構造を示し、選挙民を投票行動に結びつける。

これらの手法は、みなさんが仕事でプレゼンをする場合も大いに参考になるはずだ。

※本記事は特定の政党や団体を支持するものではなく、
政治家の演説をプレゼンテーションの観点から分析したものです。

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